開発と経済のはざま

国際開発・経済・日々の雑記など

アルバニアでのインターン開始

先々週からインターンアルバニアに来ています。多くの方にとってなじみのないアルバニアという国、それもそのはず人口はわずか300万人、国内総生産(GDP)も約1.5兆円と昨年まで赴任していたカンボジアのそれを下回ります。ヨーロッパの最貧国の一つと言われるこの国は、1912年のオスマントルコからの独立後不安定な政情が続き、一時イタリア、ドイツの支配下に置かれます。大戦後の1946年に共産主義政権が設立すると党首ホッジャは独自路線を強め、仲良くしていたユーゴスラビアソ連、中国とも次々に断交しほぼ鎖国状態となります。宗教活動も禁じられ1967年には無神国家の宣言もなされています。当然経済状態は悪化、国民感情の反発を機にようやく1990年から開放路線となり1992年に非共産政権が誕生しますが、今度は未熟な市場経済を利用した国民のほとんどを巻き込む「ねずみ講」が起こります。1997年にこれが破綻すると大規模な暴動が起こり、その影響は現在も尾を引いていると言われています。
 
鎖国」や「無宗教」など日本とどこかしら通じるものがあるのではないか(日本の歴史・経験が役立つのではないか)、ほとんど着目されず外国援助も多くない途上国で開発を考えることは開発のキャリアを積む上で重要ではないかとの思いからアルバニアでのインターンを決めました。10日間暮らしてみての感想は一言で言うと「なんて暮らしやすい国なんだ」です。鎖国下でもイタリアとの裏貿易は続けられていたことからイタリア文化が根付いており、カフェでエスプレッソを飲む人が溢れ、街中にあるイタリアンレストランのクオリティは高く、それでいて物価は安いです。首都ティラナは人口40万人程度で渋滞もほとんどなく、歩いてどこにでも行くことができ治安も悪くありません。そしてなによりも、街を歩いていると子供や高齢者が多く、みんなリラックスしており人々の生活を感じることができます。東京では週末の商店街等を除いてなかなかそうはいきません。驚くほど外国人が少なくアジア系人種を見たのは10日間でも2回程度(中国からの団体旅行と思われる集団)なのですが、不思議と「外国人」であることを意識せず歩けるのはこのリラックス感からくるのだと思います。
 
残り6週間の滞在を通してアルバニアのことを学び、綴っていきたいと思います。あと折角まとまった時間がとれる貴重な機会なので、この1年で学んだことの振りかえりと将来への展望を残しておきたいと思います。