開発と経済のはざま

国際開発・経済・日々の雑記など

レビュー

ブックレビュー 2020年6月30日にまたここで会おう

47歳にして世をさったエンジェル投資家・滝本哲史が東大で行った講義をまとめた講義録。氏の著作は実は一つも読んでいなかったのでライトに読めそうなこちらをセレクト。 無限の将来をもつ学生に対する愛と期待に満ちた書だった。 滝本氏は圧倒的に頭が良く…

ブックレビュー Good Economics for Hard Times

2019年ノーベル経済学賞を受賞した3人のうち2人、Abhijit BanerjeeとEsther Duflo(2人は夫婦)による本書。原文で読んだからか3ヶ月近くかかってしまったが、飽きずに最後まで読むことが出来た。全てのchapterにおいて経済学の用語や数式を出来る限り用…

ブックレビュー 資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

ノーベル経済学賞に最も近かった日本人経済学者の伝記として、アダム・スミスから始まる経済学思想の移り変わりと翻弄される時々の政治(逆も然り)の教科書として、アメリカ型資本主義と闘い真の豊かな社会の実現を考え尽くした一人の男のロマンとして、何…

ブックレビュー シン・ニホン

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」でも有名な著者による話題の一冊。日本の現状を客観的にとらえ警鐘を鳴らしつつ、AIがもっと普及し一般化していく今後の世界への「伸びしろ」は大きい(日本は産業革命でもcatch-upして成功した)として…

読書メモ 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか

ヘンリー・ミンツバーグがマネジメントに必要な3要素として挙げているのがアート(美意識)、サイエンス(データ、論理)、クラフト(経験知)。その中でも本書は現代社会の経営におけるアートの重要性を論じたもの。グローバリゼーションにより差別化が一層…

ブックレビュー:グローバリゼーションパラドクス

私がハーバードのMPA/IDコースに行きたい理由の1つに、ダニ・ロドリックが教鞭をとっていることがあります。国際開発、なかでも経済発展と国際経済の研究者であり産業政策の必要性の議論やグローバリゼーションへの警鐘が有名です。書籍になっているのは本書…